東京五輪優先は、まちづくりの崩壊へつながる!

2014年1月15日 15時24分 | カテゴリー: 活動報告

  東京オリンピックを2020年に控え、昨年から世間は喧しい。石原都政以降、五輪に固執してきた理由は、リーマンショック以降、頭打ちの建設業界へのカンフル剤としたかったのは明白である。スポーツの祭典を前面に掲げ、復興をダシに使い、国民の目を欺いた罪は重い。原発事故の処理もまだまだ先も見えない中で、相も変わらず「東京の一人勝ち状態」を推し進めようとする傲慢さは、福島県民としても許しがたいことである。

 招致の立役者を演じた猪瀬都知事は、ダークどころか限りなくブラックに染まり都政から去っていった。しかし、オリンピックのために残していった計画は一切止まってはいない。

 

葛西臨海公園のガマの穂。2013.10.17撮影

 計画では、東京湾岸に選手村や競技施設は集中しており、首都直下型大地震が起こった場合、津波や液状化が危惧されている。また、カヌー競技場建設のために葛西臨海公園の約半分を埋め立ててしまう計画では、環境破壊が問題視されている。野鳥にとってサンクチュアリだった場所が、人間のエゴで潰されていくのはたまらず、私も反対の署名に協力した。

 最も大きな問題は、メーン会場となる新国立競技場建設である。「高さ70mまで緩和することを前提」にしたデザイン・コンペであったことは、ルール崩壊を意味する。建設予定地は、神宮外苑の風致地区にあり、1970年の都条例で15mの高さ制限が付けられていた場所である。現在の競技場はそれより以前に建設されたもので、新たに建設される場合、30mまで可能とのことだが、コンペの要項にはその2.3倍まで可能と記載されていたと報じられている。オリンピックであろうと何であろうと、まちづくりのルールを簡単に崩してしまっていいわけがない。

 デザインの決定が2012年11月。その後、日本スポーツ振興センターは、都へ高さ制限緩和の提案をしている。異例の早さで15mを75mにする大幅緩和である。コンペの審査内容も公表されず、またデザイン決定後に修正もされるなど、不透明な部分が多すぎるまちづくりには批判の声が集まっている。オリンピックありきで進められるまちづくりには、ビジョンも何も感じられない。

  1999年の法改正により、建築確認・検査業務は指定確認検査機関(民間)でも可能になった。その後、特定行政庁には問題を解決するためのさまざまな権限が付与されてきた。しかし、その肝心の特定行政庁がこのような有様では、いったいまちづくりはどうなってしまうのだろう。

 風致地区といえば、不安な材料は他にもある。このたび、東京都や都内区市において、風致地区条例の改正(制定)が予定されている(2014年4月1日施行)。新たな条例になると、権限が都から各自治体へと移譲されるので、地方分権の視点から言えば喜ばしいことかもしれない。現在、国立市には風致地区はないが、過去、市議会でも議論に上ったことはあった。10ha未満であれば市町村でも指定することは、これまででも可能だったからである。権限が委譲されても、建設指導主事のいない国立市では、どのような扱いになるのだろうか。今後の動向から目が離せない。