ニホンカワウソに学べ ~絶滅種を増やさないためには~

2012年8月31日 17時50分 | カテゴリー: 活動報告

 人間自身が自然環境をないがしろにしたツケは、刻一刻と人類を追い詰めています。この夏の異常さは、筆舌に尽くしがたいものがあります。西日本では、いままでにないほどの水害に見舞われ、東日本(とりわけ太平洋側)では、カラカラ天気のため、農作物に影響が出はじめています。 「〇〇をすると、△△な結果になる」というような予測が利くかどうかは、イマジネーションに左右されます。素人ならいざ知らず、科学者や研究者はプロフェッショナルなのだから、予測しないはずもありません。

    もちろん、人間だから、予測を間違えることもあるでしょう。しかし、その予測を、何年も何年も間違え続けてきたとしたら、それは余程の「無責任な人間」との誹りを受けても仕方がないのではないでしょうか。原発を例に出すまでもなく。 しかし、こと生態系に関して言えば「気が付いたときは時すでに遅し」。

 

    すでに周知のことですが、8/28(火)、環境省は、ニホンカワウソを「絶滅種」に指定しました。ニホンカワウソはイタチ科の哺乳類で体長は約110cm。昔は、日本全国どこでも見られた、ごくふつうの生きものです。 2010年秋に、名古屋でCOP10が開催されました。それまでは、おそらく「生物多様性」といれ、環境への関心の高まりを実感できたうれしい時期でした。外来生物がいかに多いかを知り、愕然とされた方も多かったのではないでしょうか。  2011年4月に、環境影響評価法(環境アセスメント制度)が改正されました。計画段階における環境配慮手続きの創設や環境保全措置などの結果を報告し公表する手続きが盛り込まれたことを評価する向きもありますが、手放しで喜べる状況とは言えないでしょう。 たとえば、環境保全審議会の設置は、地方条例のみで、国における第三者機関は設置されていません。委員の選任や運営の権限は行政にあり、第三者機関とは言い難いのです。さらに、自治体には、手続き違反を是正させる権限までは付与されていません。これでは、どうやって、環境を保全できるというのでしょう。 原発事故の放射能の影響もあいまって、このままでは、レッドリストの数は増える一方です。今後は、公共事業の在り方そのものを、根本から見直す必要があるでしょう。

     現在、東日本大震災からの復旧・復興が急がれていますが、こういう機会にこそ、私はアメリカにおけるヘップ(HEP)のようなしくみが必要ではないかと考えています。 環境を守る対策検討の優先順位を「ミティゲーション・シーケンス」といいます。 ①回避(avoiding)②最小化・低減(reducing)③代償措置(compensating)の順番です。ざっくりの説明ですが、ヘップ(HEP)とはHabitat Evaluation Proceduresの略で、生態系のおける評価種の価値をハビタット(生息環境) の質と量の両面から測定評価する方法です。 2011年に改正された環境影響評価法は、2013年に完全施行となります。

    国立市では、2011年秋から環境審議会がスタートしましたが、その後の進捗状況が見えません。市報や市のホームページから、その議論の一端でも垣間見えれば、日常的にも市民の関心は持続するのではないかと考えますが、いかがでしょう。