生態系を維持するための施策を!

2010年8月7日 14時51分 | カテゴリー: 活動報告

COP10のプレ企画の国際フォーラムに参加して

 今年10/11〜29、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が、名古屋市で開催されますが、そのプレ・イベントとして、国際フォーラム「生物の多様性と経済の自立 健全な自治体への挑戦」が、(財)日本生態系協会の主催で開催されました。
 さまざまな生物との共生をテーマとしたこの会には、自然環境保護に積極的な取り組みをしている自治体の首長(5人)をはじめ、各方面からの報告があるということで、会場の津田ホールの450席は、満席でした。

 海外からのゲストスピーカーは、フォルクスワーゲン社の環境担当統括責任者のギュンターダンメ氏でした。
ウォルクスブルグ市との再自然化への共同プロジェクトの報告では、直線的な人工の川によってビーバーなどの生き物が住みにくい環境になってしまったため、これを昔のような蛇行した川にさせ、水辺や沼を創り出そうというものです。4ヶ月で、草も生え自然が戻り、今では野生種の牛や馬を入れて市民の憩いの場になっているそうです。
 最近、よく言われる「CSR(企業の社会的責任)」を、いかに果たすべきか、ドイツでは、市民と自治体と企業の協働が必要であることから、年に2〜3回、話し合いをし、行政はそれを計画地図に落とし込み、企業側は、
侵害されるゲレンデ(植生状態を確認するための土地)が、どれくらいあるかを見ることで、再自然化にかかるコストを準備する(20〜30年先まで!)というものです。ぜひとも、見習いたいしくみです。
  
 国内の自治体首長の報告では、埼玉県戸田市の神保市長から「戸田ヶ原自然再生事業」について、北海道黒松内町の若見町長から「北限のブナの森に包まれた持続可能な地域づくり」について、長崎県対馬市の財部市長から「ツシマヤマネコをはじめとする島の生物多様性と海洋保護」について、兵庫県豊岡市の中貝市長から「コウノトリと生きる〜豊岡の挑戦〜」について、千葉県野田市の根本市長からは「野田から首都圏へ提案する・自然との共生」について、リレートークで伺いました。
どの首長も、我がまちの意欲的な取り組みに誇りを持って、熱く熱く語っていらっしゃいましたが、中でも印象的だったのは、豊岡市の中貝市長のお話でした。
 かつては、人の暮らしの中に当たり前に共生していたコウノトリが、乱獲により一度は絶滅してしまいます。しかし、40年の歳月をかけ「コウノトリも住める豊かな環境の創造」をめざし、人工飼育に挑戦します。市内10haの水田に、年間通して水を張り、水田魚道を県と折半で造り、コウノトリの住める環境を整えるのです。
市長の話術の巧みさも手伝って、コウノトリが大空に羽ばたいた瞬間、市民から拍手が沸き起こったそのビデオ映像に、涙がこぼれそうになりました。
 
 全国には、このようにまちが一丸となって、自然回復へ、それも農業や林業などとしっかりと連携させた計画として、取り組んでいるところがいくつもあるのだということがわかりました。
 どの報告にも感動し「この国立でも、きっとできるはず!」そう強く心に言い聞かせながら、会場を後にしました。