PRTR法と身近な化学物質に関心を持とう!

2010年6月25日 22時31分 | カテゴリー: 活動報告

6月議会の一般質問からPartⅡ

 PRTR法とは「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づく制度で、対象事業者は、扱う指定化学物質について、毎年、国に届出が義務付けられています。国がこの情報を公表することによって、市民・事業者・行政が協力して化学物質対策を進めていくことが期待されるものです。PRTR法では人体や環境に影響を及ぼすおそれのある有害な化学物質を「第一種指定化学物質」としていますが、実は、私たちの身近なところで多くの化学物質が使われているのです。

 学校、保育園、市庁舎などの公共施設の石けん、洗剤の利用実態について質問したところ、今年度、あらためて調査をした結果、2007年の決算特別委員会で、生活者ネットが質問した時の調査資料と概ね変化がなく、石けん素地、パーム脂肪酸、グリセリン、グルコン酸ナトリウム、エチドロン酸などを主成分とするもの等が多く使われていました。また、市内の指定管理者の管理するコミュニティ施設では、調査したことはなく、今後、調査を実施する際には、対象とするとのことでした。
エチドロン酸やEDTA-2Na(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)は、第一種指定化学物質で、キレート剤といわれる金属封鎖剤です。微生物に分解されず、ヨーロッパでは使用が禁止されているものです。また、第一種指定化学物質の中に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS系の洗剤)を使っている学校や児童館もありました。
 市販されているものが、すべて間違いなく安全であれば、PRTR法で排出・移動の届出をさせる必要はないはずです。裏返して言えば、企業への配慮から政府は「使うな」という極端なところまで踏み込めないので、PRTR法を定めたとも言えます。もちろん市民が暮らしの中で使うものについて行政が指図はできませんが、せめて公共施設においては安全な石けんを使うようにし、市民には、充分な情報提供をすべきと考えます。

 また、相変わらず、害虫駆除のために、有機リン系のディプテレックスやトレボンが使われていた上、保護者向けのお知らせが不十分な学校があったことが、わかりました。生物の多様性の観点からも、有機リン系の薬剤散布はやめて、オブラートが原料の安全なコーティング剤「セルコートアグリ」に切り替える、あるいは、たいまつによる害虫駆除を提案しました。有機リン系殺虫剤で子供のADHDを発症するリスクが高まるというアメリカの小児学会の報告も先日新聞報道がありました。この機会にしっかりと各学校や保育園などに再周知をお願いするとともに、化学物質全体に関する「安全指針」を国立市でも早急に策定するよう要望しました。