駅舎を愛する人々

2010年2月19日 16時53分 | カテゴリー: 活動報告

2つの駅舎復原を考える

 去る2/7(日)、国立市文化財保護審議会委員で、ものつくり大学教授の白井裕泰さんの講演会「駅舎の復原とその活用について」が、開催されました。
 明治以降に建てられた駅舎の中から、木造・RC造・レンガ造の大きく3種類に分類して、画像で紹介された後、駅舎の保存例や、今後の旧国立駅舎の活用方法の考察を披露されました。
 SNS(Social Networking Service)プロジェクトの拠点としての「まちなか交流館」、市民へのサービス提供の場、地産地消物品提供の場、等の利用。あるいは、歴史を生かしたまちづくりのためのヘリテイジセンター、都市における環境教育の拠点、まちに来訪する人のための基地、などなど、豊富な事例を紹介してくださいました。参加者は皆、興味深く聞き入っていました。
 
 そして、2/13(土)には、私は、工学院大学で開催された「東京駅の復元(復原)」と題された講演会にも、参加してきました。こちらの講師は、JR東日本東京工事事務所の大内田史郎さんです。
 いずれの講演会も、駅舎を愛する人々が、数多く集っていました。

 1914(大正14年)に、東京駅は開業しましたが、当時、ホームは、たった4つしかなかったそうです。丸の内駅舎の建設計画は、フランツ・パルツアーによって当初案が作られましたが、明治天皇に却下され、辰野金吾へと引き継がれます。最初は、中央にタワーもありましたが、皇居に配慮して無くしたという話も、時代を感じさせます。
 豊富な写真とエピソードで、時間が経つのを忘れるほどでした。
 復原のケーススタディでは、さまざまな議論があったそうです。また、東京ステーションシティは、総工費500億(移転費も含め)の大事業です。復原のために、「特例容積率制度」が使われましたが、まだ実施例は、全国で、この1例のみです。「特例容積率」とは、簡単にいえば「敷地間の容積率の移転」です。条件として、そこには「歴史的建造物がなくてはならない」ことがあります。つまり、9階建が建てられる場所に、3階建の東京駅を復原するのですから、6階分の容積率が余るわけです。これを周辺の建物に売ることができるのです。その容積率を買ったビルは、その分を上乗せした高いビルを建てられることになります。こうでもしなければ、東京駅復原のための費用を捻出できなかった、ということもありましょうが、「何と、恐ろしい制度か!」と身震いする国立市民も多いのではないでしょうか。
周囲を牢獄のような壁(巨大ビル)に囲まれ、日陰になった土地に建つ「旧国立駅舎」を想像してみたら、「ぎゃああ〜!」悪い夢!
考えただけで、ぞっとしますね。

リンク
東京駅の復原