滝乃川学園本館の修復が完了して

2009年10月23日 13時46分 | カテゴリー: 活動報告

日野原重明さんの講演より

 秋空の高いさわやかな昼さがり、修復を終えたばかりの滝乃川学園の本館を訪れました。緑の森の中に、誇らしげに建つ生まれ変わった本館は「石井亮一・筆子記念館」と名付けられました。10/11、知人の誘いで、この修復記念の関係者向けの講演会に参加させていただきました。講演者は、あの有名な聖路加国際病院理事長であり名誉院長である日野原重明さんです。「変わらぬ人間の価値」というテーマに、とても魅かれました。
 開口一番、日野原さんは、「障がいのある人も、明日死ぬという人も、健やかな人も、人間の価値は変わらない」とおっしゃいました。「命は、神様からいただいたものだから、それをお返しするまで、大切に預かっておかなくてはなりません」信心がなんであれ、実に説得力のある言葉です。
 会場に集まった方々のほとんどは、たぶん、人生において、それぞれに厳しい経験をされてきた人たちです。98歳の日野原さんだからこそ、絶望することなく生きていく勇気を、多くの人に与えることができるのだろうと思いました。
 実は、私ごとですが、先日、郷里の母が癌で手術をしました。母はペシミストなので、とかく悪い方悪い方に思いこむ性質なので、こういうときは、特に大変ですが、日野原先生の崇拝者なので、講演内容を伝えると、とても興味深く聞いていました。
 手術の前に、病室に来た麻酔科の医師は、関西弁でユーモアたっぷりに、どんなことをするのかを説明してくれました。彼が出て行ったあと、母は「上手だねえ。ああやって不安にならないように、してくれてるんだねえ」と笑いました。それから、しばらくして、手術室に入る直前に、彼は、再び病室に飛び込んできて「大事なことを言い忘れてた。麻酔ですけど、特上・上・並・中の下とあるんですよ。どれにしますか?」と聞くのです。間髪入れず「もちろん特上でお願いします!」と私が即答すると「了解しました〜!」と出て行きました。(うな重じゃあるまいし!)あっと言う間のできごとに、母も父も、呆気にとられていましたが、彼のトドメのジョークに、すっかり空気が柔らかくなりました。そうそう、日野原さんの本には「ユーモアは、ストレスを癒やす力になる」と書いてありましたっけ。
 お陰さまで、母の手術は無事におわりました。

 日野原さんの講演で一番印象深いお話は「たくさん持っている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かである。貯蓄型の人は心理学的に言って、どんなにたくさんのものを持っていようと貧しくされた人である」というエイリッヒ・フロムの言葉を紹介されました。
 日野原さんは、たくさん与えることのできる方です。私も、たくさん与える人になりたいと思った講演会でした。
 
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