都市計画法改正に向けて

2009年8月14日 11時25分 | カテゴリー: 活動報告

課題を検証してみよう

 中央図書館と谷保第三公園の間を歩くと、蝉の声がシャワーのように降り注いできます。日照時間の減少で農作物の出来を心配する中、それでも季節になれば、蝉は土から這い出します。たとえ、昨年はあった木々が何本も減ってしまったとしても!ごめんなさい、蝉さん。人間は、自分たちの都合で「開発」を行う生き物ですからね。「自分たちの都合」と表現しましたが、どれもこれも法律や条例などで、私たちはルールを定めています。しかし、これが果たして正しいのか否かは常に検証すべき課題です。
2009年春、国土交通省は都市計画法を改正する意志を示しました。私たちも、全国で起こるまちづくりにおける問題点をおさらいしておく必要があります。
 8/8(土)、私は「都市計画法改正論議に向けて〜農振法と都市計画法との関係など〜」と題された講座に参加しました。
国土利用については、都市計画法、農振法(農業振興地域の整備に関する法律)、森林法、自然公園法、自然環境法などがありますが、縦割りのために一括管理する法体系になっていないことに問題があると、講師の中出文平さん(長岡技術大学環境・建設系教授)は切り出しました。開発による里山や林地の喪失、農地と宅地の混在、建物用途の混在がなぜ起こるのか?その原因を突き止める必要があります。都市計画だけで見ますと、大きく「市街化区域」「市街化調整区域」に分けられます。国立市内は、ほとんど「市街化区域」で「市街化調整区域」は河川敷くらいしかありませんので、(私は)ここは基本的には開発のできない場所(公共物は可)という認識しかありませんでした。しかし、全国的に見ますと都市計画を持たない非線引きのところ(用途地域を持たない場所)は、1645自治体中441もあります。農振法でいうところの「農用地区域」の中では、部分的に「農振除外」のところがあり、ここは開発可能な地域とされています。「農振除外」は、自治体の農業委員会が認めれば、簡単に宅地への転用が可能ということなのです。富山県の事例で、またたく間に白地が開発されていく様を見せられ、「まるでテトリス!」35年ほどの間に、全国では農地転用率が急増し、国道沿いでは、農用地区域の指定を免れた農地がドライブインや大規模店舗などに席巻され、景色を一変させました。結果、昔からある地域の小売店は淘汰され、中心市街地にはシャッター通りが増える結果になりました。大都市ほど地方の農業に依存している実態の中で、法は、その隙間をも埋めていく必要があります。その隙間を縫って、経済優先のディベロッパーが開発に着手してはトラブルが起こっているのですから。
今月刊行された「都市計画法改正〜『土地総有』の提言〜」(第一法規)では、都市計画の歴史を紐解きつつ、人口減少時代における所有権の強調は「都市コントロール権を失わせ、荒廃に拍車をかける」として「土地総有」を中心とした都市計画を提案しています。
私は、先日、青柳に長年住む友人と久しぶりに食事をしましたが、その時に、狭い袋小路に隣接する宅地では、必ずしも、その家の建つ敷地が、そのお宅の土地ではなくお隣の家の土地だったり、向かいの方の土地だったりするのだという話を聞きました。それは、その地域でトラブルなく協力し合って暮らしていくための昔の人の知恵だったのだと聞きました。「総有」の考え方に、相通じるものを感じました。