平野郷の市民主体のまちづくり

2008年10月24日 14時40分 | カテゴリー: 活動報告

建設環境委員会視察記①

 10/21,22の2日にわたり、建設環境委員会では、京都府八幡市と大阪市平野区を訪れました。
 今回は、まず平野区のまちづくりの取り組みについて、ご報告したいと思います。
 大阪市では、1999年からHOPEゾーン事業に取り組んできました。HOPEとは、Housing with Proper Environmentの略で「地域がそれぞれの文化的・歴史的・自然的、幅広い意味での環境を活かした住宅地づくり」の意味と「希望(hope)」の意味が込められています。大阪市平野区は、以前から地元のまちづくり活動の活発な地域だったこともあり「平野郷HOPEゾーン事業区域」に指定しました。平野郷は、大阪と奈良とを結ぶ街道沿いに栄えた町で、環濠の外への出口13ヵ所には、地蔵堂があります。屋根や庇の連続性や町屋の風情が、魅力的な地域を継承していくため、建築物の修景整備をすすめてきました。
 市は、1991年頃から基礎調査を開始し、5地区で勉強会を重ねてきたそうです。そんな中、市民は「お上の力は借りない。自分たちのまちは自分たちでつくる。市に協力してやっているんだ」と言い、市民団体「まちづくりを考える会」のメンバーから3名、市のHOPEゾーン協議会に加わっているとのことでした。
 2005年にこの地域に、14階建のマンション計画が出され、翌年には、建設されてしまったことを契機に、まちづくりへの影響を危惧した市民は、この協議会を中心に地区計画へのうねりとなっていきました。話し合いの結果、まちなみを守っていくためには、高さの制限を緊急に行う必要があるという結論に至って、勉強会や地区内全戸へお知らせの配布やアンケートなど、精力的に行いました。大多数の賛同を得て、建築物の高さは、(この地域ではシンボリックな建築物である)大念佛寺の屋根の高さを基準とすることを、大阪市へ要望したのです。その後、2007年、都市計画審議会を経て、全会一致で可決され、条例が制定されたのです。大念佛寺の高さ22mを最高限度とすること、かつ地階を除く階数が7階以下とすることなどの高さ制限だけでなく、パチンコ店や風俗店などの用途制限もされています。
 高さ制限によって、既存不適格となった建築物は、13棟ありますが、従前の高さまでなら建て替えは可となっています。
 2007〜2008年にかけて「まちなみガイドライン」が、協議会を中心とした地元の市民との勉強会を重ねながら、作成されました。修景のための助成事業では、大屋根と外壁のみが、補助の対象となっています。「まちなみは、みんなのもの。家の中は、個人のもの」というフレーズに、大きく共感を覚えました。