柿田川湧水に学ぶ

2008年10月17日 13時27分 | カテゴリー: 活動報告

保全のためのナショナル・トラスト運動

 雨上がりの朝、以前から念願だった柿田川湧水を見に出かけました。柿田川は、静岡県清水町を流れる一級河川です。富士山や箱根山に降る雨が、富士山の噴火によってできた三島溶岩流の間を通って地下水となり、長い年月を経て噴出して川となったものです。柿田川は全長約1,200mで、その後、狩野川に合流し、駿河湾に注いでいます。
湧水というと、矢川や国分寺の真姿の池などを思い浮かべますが、まったくスケールが違いました!さすが富士山の足元です。その湧き方のダイナミックなこと!全川湧水が水源となっており、日量100万tもあり、飲料水として沼津市・清水町・三島市・函南町・熱海市へ供給するほか、工業用水や農業用水にも使われています。
柿田川湧水公園は、東名沼津ICを下りて国道1号線を伊豆方面へ向かう右手にあり、1986年には環境庁の指定する「名水百選」に選ばれています。
カワセミに会えなかったのは残念でしたが、シジュウカラやコゲラ、カイツブリが迎えてくれました。木道を歩くと、その下から、湧いて出るように沢ガニがゾロゾロ現れ、おじいちゃんに連れられた男の子が歓声をあげていました。他にも、アオハタトンボやヒシカワトンボなど、珍しい生物に出会うことができて、大感激でした!
 地元のトラスト運動にかかわる市民が、自然保護活動の歴史を話してくれました。高度経済成長の時代に、汚れ放題だったものを地域の人たちが再生させたものだそうです。石油コンビナート計画(1964年)が発表されたときには、住民の反対で中止させています。
 現在は、自然観察会やバードウォッチングを年3回定期的に行なったり、清掃活動や流水量の調査などをしているそうです。この森や湿地は、ほとんどが民有地のため、保全がなかなか難しい状況にありました。そこで、開発から柿田川の環境を守るために流域の土地の買い上げなどを計画し、ナショナル・トラスト運動(※)を展開しています。環境を保全するには、市民の熱意が不可欠です。
その地域に住む人自身が、その価値をしっかりと認識していないと、いとも簡単に崩壊してしまうものであることに気がつかなくてはなりません。
 国立の湧水も用水も、守ってきた先人たちに感謝しつつ、私たちが次世代へとしっかり引き継いでいかなくてはならないという思いを強くした休日でした。

※ナショナル・トラスト運動=保護すべき地域を決めて、次世代へ伝えていくために市民有志による買い上げ、あるいは行政による買い上げにより、保全する活動のこと。