建設環境委員会視察記

2007年11月2日 14時51分 | カテゴリー: 活動報告

景観保全のための条件とは

 10/29〜30、秋晴れの1日、建設環境委員会の視察で滋賀県近江八幡市を訪れました。
 近江八幡市は、国立市の約9倍の面積に人口約68000人(国立市は約73000人)という規模の自治体です。
2005年に景観法ができ、その後、市民の声がどのように施策に生かされたのか、また、2年前、景観大賞を受賞したこの近江八幡市の景観行政について(国立市は、同じ年に景観大賞の「美しいまちなみ賞」を受賞)学びたいと、視察先に選びました。昨年6月の某誌に「景観法」が特集されたとき、近江八幡市の景観計画策定のプロセスについて掲載されていましたが、これを執筆した市職員の深尾氏が、今回の視察での案内役をしてくださったことで、取り組みの詳細を聞くことができました。
このまちでは、40年ほど前から市民の中に「景観」というものが意識されはじめていたそうです。市内を走る八幡堀が悪臭を放ち公害問題が起こり、堀の埋め立てが決まりました。ところが一転、市民から保存運動が起こります。当時では到底考えられないようなことですが、すでに始まっていた埋め立て工事は中止、補助金も返上することまでしたそうです。歴史的な建造物や景観を保存することに、市民自身が「価値」を認識した事が大きいと実感します。景観計画策定に向けて、職員は、熱心に市民との対話を繰り返したそうです。
新築する場合には、陸屋根ではなく勾配屋根にすることを条例に謳い、市民への啓発活動を熱心に重ねました。また、水郷地帯では、葦原の保全を市民やNPOと協力しすすめてきました。保全のための補助金獲得に県にもはたらきかけました。この地域でも、建築物は、山肌に沿うように建てることなど、(景観の統一感)が決められています。いまでは、小学校の総合学習に出向き、「景観」について話をして欲しいと言われるまでになりました。
「これは、ノスタルジーや観光ではなく、『文化の継承』である。50年後、100年後を考えたまちづくりを」と語る深尾氏の言葉に、このまちのまちづくりの真髄を見せ付けられた思いです。