八ツ場ダム裁判傍聴記

2006年7月7日 17時19分 | カテゴリー: 活動報告

都の主張の変化は何を意味するのか

 梅雨に入り、雨が降るたびに思うのは「今年の夏は水不足の心配はないだろうか」ということです。地下水であれ、河川水であれ、雨の恵なしに水を貯めることはできないからです。そんな中、7月4日午前11時から、東京地方裁判所606号法廷で、第9回の八ツ場ダム裁判がおこなわれました。
 前回は、パワーポイントを駆使し、水需要予測と利水問題全般について、ビジュアル的にわかりやすい陳述が繰り広げられました。
 今回は、東京都の提出した準備書面へ対する反論の、前段での質問ということで、高橋弁護士から、水需要の算定をするための根拠となる570万tをどのように算出したのかを問いました。
「水不足の予測として裁判当初の計画では、10年に一度の渇水ということで1/10で計算したもの。しかし、なんと東京都は、渇水の見込みを『5年に一度』と、変えてきたのです。東京都は、計画の指針を見直し、1/5(5年に一度の渇水)に落ち着くまでに、当然、検討はなさったんでしょう? それなら、検討会での議論を踏まえているはず」
 こう質問すると、のらりくらり。
 「地下水は大事といいながら、保有水源としてはカウントせず、身近な利用できる水源として活用していくという姿勢の東京都もおかしいけれど、ロス率の計算についても、護岸がコンクリートではなかった時代ならまだしも、指針では10%のロス率であるとしています。今は、実績として1%しか出ていないのですが、これについての具体的な理由もあきらかではありません」
 只野弁護士からのこの質問に対し、東京都サイドの弁護人は、いずれの質問にも即答を避け「準備書面に書いてあるとおりです」と答えるばかり。このロス率について適宜見直しを行ってきたとの記述について、「どんな手法で、いったい何年に見直しを行ったのか?」との問いにも答えられず、「書面で答える」と逃げの一手でした。
 次回の裁判までに回答は出てくるはずですが、原告側からは、①貯水池の地すべりの危険性について②環境破壊について、の2通の準備書面を提出する予定です。
 次回は10月17日(火)11時からです。
水あまりの時代にあって、いまなお、私たちの日々の水を、遠く群馬県の山奥に巨額を投じて建設するダムから持ってくる理由を強引につけようとする理不尽さに、多くの方の関心を寄せていただきたいと願っています。