「景観行政団体」への道

2006年4月28日 16時45分 | カテゴリー: 活動報告

「美し国(うましくに)づくり」シンポジウムに参加して

 国立駅舎の保存をめぐり、曳き家予算否決以降も、国立市は、飽くなき交渉を続けています。存置方式(駅舎を現在位置に置いたまま工事をすること)の可能性を探り、ガード下道路の拡幅を含め工事ヤードの確保の手法を検討してきましたが、依然状況は厳しく、再度「曳き家」がクローズアップされそうです。
 さて、そんな折、26日に開催された「美し国づくり」シンポジウムに参加しました。コーディネーターの進士五十八氏(東京農大教授)以外、パネリスト全員が女性という趣向で、まず基調講演に、熊本県知事の潮谷義子氏と三鷹市長の清原慶子氏より、それぞれの県・市の取り組みについてお話があり、その後、景観法に基づく現況の報告を元国交省の役人の岸田里佳子氏から、また、慶応大教授の石川幹子氏からは、岐阜県各務原(かがみがはら)市の公園再生の取り組みなどを伺いました。
 いずれも、女性ならではの柔らかな感性と人と人とをつなぐ手法を駆使したまちづくりは、参考になるものでした。こうしたまちづくりを支えるしくみとして、景観法は、04年12月から施行されましたが、岸田氏の報告によれば、4月現在で214の地方公共団体が、景観行政団体に名乗りを上げています。この「景観行政団体」というのは、景観法に基づく諸施策を実施する行政団体のことです。基本は都道府県であり、その政令指定都市・中核市がなりますが、市町村も都道府県の協議・同意を得ればなれるものです。この景観行政団体になると、景観計画の策定・変更と景観計画に基づく行為の規制、景観協議会の設立・運営、景観形成に取り組むNPOなどを景観整備機構として指定することなどができます。景観行政団体への取り組みが、もっとも積極的だった神奈川県では、すでに11以上の地方公共団体が名乗りを上げている一方、東京都はフットワークが重く、現在この景観行政団体へなるためのルールづくりをすすめているところだそうです。マンション紛争のあった国立市では、これにいち早く手を挙げたい意向を持っています。
大学通りでは、これから新緑の眩しい季節を迎えますが、そのアイストップとして赤い三角屋根の駅舎がなくなることなど、考えられませんし、また、それを囲む美しいまちなみを守るためのしくみを整えることが、急がれます。