差別をなくす処方箋は?

2005年11月18日 17時26分 | カテゴリー: 活動報告

地域の障がい者就労問題から

 日本国憲法第25条には、生存権が保障されていますが、果たして今の社会は、そのようになっているのでしょうか。障がい者の保障制度は、生存権保障型から、自己決定権保障型・平等権保障型へと進化してきましたが、支援費制度ができたときに、「措置から契約へ」と謳われたもの、施設解体という法理へは至らず、個人の選択の問題へ矮小化されてしまった感が残りました。
 「障害者自立支援法」が成立し、障がい者の福祉サービスが一元化され、来年4月からは、精神障がい者も法定雇用率(1.8%)の算定対象となったものの、雇用義務は盛り込まれませんでした。
 まず、地域の実態を知ろうと、先日、国立ネットのメンバーで、市内の障がい者の就労施設を見学しました。
 谷保にある社会就労センター「ピアス」は、利用期限2年の就労支援を行う通所授産施設です。精神の病にかかったけれど、治ってきていて、働く意欲のある人が対象の作業所です。ここは、厨房・喫茶・事務補助・清掃の4部門で、基礎体力と能力アップ等のトレーニングを行っています。利用者には、担当職員がついて相談にのりますし、就職時には、ジョブコーチも派遣しています。社会復帰がスムーズにできるようさまざまな工夫がされていました。これまで、精神障がいの人たちは、制度の上では、保障の狭間にありました。今回の法整備により、一歩前進したという評価もありますが、障がい者の就労や社会参加の支援では、本人の意思の把握は、簡単に数値化できないという課題も残されています。
 この日、小規模民営の地域デイグループ事業をおこなう「カタバミ作業所」と、簡単な作業を通して社会自立支援をおこなう「うめの木作業所」も見学しました。知的障がいをもつ人たちの施設ですから、仕事もゆるやかで無理のない仕事となると、なかなか適当な内容と量のものを見つけることは大変なことです。ひとりの人間として、自立して生活ができるようになるための充分な収入を得ることの難しさがあります。
 法制度の見直しがなされるなか、今後、当事者や事業所の立場にたった支援が一層大切になってきていると感じました。