思春期の子どもたちの性教育

2004年6月18日 17時06分 | カテゴリー: 活動報告

6月議会一般質問より

先週に引き続き、一般質問の報告をします。
私は、無理解から来る東京都の男女平等教育の大きな後退によって、いまや公教育における性教育がおざなりになってしまっていることに、危機感を禁じ得ません。調査によると、エイズやクラミジアなどの性感染症が若者の間で急増しているのは、先進国の中では日本だけです。ティーンエイジャーの女性の妊娠中絶率も急増しており、2001年には、95年当時の2倍、1000人に13人となっています。
国立市でも、週5日制が導入される前は、授業時間にもゆとりがあり、先生方も様々に工夫した性教育の授業をされていた時代もありました。しかし、小学校はともかく、中学校となると、本当に時間に余裕がなく、ほとんど性教育に時間を割くことができない状態にあることがわかりました。
現在、国立市では、各校の男女平等参画担当の教員が中心になり、性教育の指針を作成中ですが、東京都でも今年5月に最新の手引きが出来上がりました。市教育委員会は、この東京都の手引きを参考にするとの答弁でした。私は、都の手引きに縛られず、不足している部分を補う必要性があるとうったえました。道徳とモラルに頼る教育から、自己肯定感を養い、セイフ・セックスなど具体的な性教育に取り組む体制と時間の確保が必要です。
私は、リプロダクティブ・ヘルスの観点からも、思春期の子どもたちが、体の悩みを、人目を気にせず相談にいけるような場の設定を提案しました。
リプロダクティブ・ヘルスとは、一般的に「性と生殖に関する健康」と訳されていますが、「女性の生涯にわたる健康」のことです。一昨年、訪れたクライストチャーチ市には、NPOが運営するファミリー・プランニング・アソシエイションがあり、10代の青少年のための家族計画、避妊の知識など、相談やカウンセリングを無料で行っていました。もちろん、リプロ・ヘルスや更年期障害の相談にも応じています。こうした場の設定と専門的なスタッフの配置など、是非この機会に、教育委員会でも話し合うよう要望しました。また、チャイルドラインのように、性に関する悩みを相談できる場があることを、子どもたちに何らかの方法でPRすることを提案しました。教育委員会の事業展開の中でホームページ等を使ってのやりとりができるようなものを今年度中にたち上げる予定だそうです。
 私は今回、項目は別立てにしましたが、「次世代育成支援対策」(先週号参照)と「性教育」は、あわせて1つのテーマとして取り組みました。きちんと性教育をすることで、これを自分の問題であると捉えることができて、初めて自分の体を大切にすることや他者への思いやりの心が生まれるのです。小さい頃から、こうした「命」に関する一貫性のある学びを通じて、子どもを生み育てることの意味を理解できるのではないでしょうか。
 七生養護学校でのことに象徴されるように、一部保守層の歪んだ性意識によって、子どもたちが正しい性教育から遠のくようでは、かえって不幸です。こんな時代だからこそ、巷に溢れる情報から、正しい情報を選び取る力をつけること(メディアリテラシー)が大切なのです。