環境科学のすすめ

2004年5月14日 16時43分 | カテゴリー: 活動報告

「沈黙の春」に学ぶ

 今年は、入梅が早いかもしれないと思わせるような陽気が続いています。以前、あるアウトドアの雑誌に「異常気象とよくいわれるが、旧暦で考えれば、異常でも何でもない」というニュアンスの記事が、出ていました。読み物としては、おもしろいけれど、読者が、自然環境の異変に関心を払わなくなってしまうのではないかと不安になったことがありました。
 私がレイチェル・カーソンを知ったのは、14年ほど前でしょうか。現市長の上原公子さんを、市議会議員として送り出そうとした選挙でのことでした。一緒に市内を回ったときに、遊説での開口一番がこの「沈黙の春」でした。農薬などの汚染によって、死の影は知らず知らずのうちに忍び寄り、春になっても鳥がいない、「沈黙の春」は、科学への飽くなき依存へ警鐘を鳴らした作品です。寓話だと笑えない現実が、少しずつ少しずつ私たちの大切な地球を蝕んできています。それは、すべて私たち人間の仕業に他なりません。
 私は、バードウォッチングが好きで、時々双眼鏡を手に多摩川に出かけていました。10年前は、家のベランダからもいろいろな鳥を見ることができたのです。国立市の鳥シジュウカラをはじめ、オナガ、ジョウビタキ、ハクセキレイ、ツグミ、ヒヨドリ、カッコウ、メジロ、ウグイス、珍しいものでは、イカルなど。川にいけば、コサギ、カルガモ、シギの仲間、運がよければカワセミにも遭えました。それが最近では、本当に鳥の数が減り、さびしいと言うより悲しい気持ちです。鳥が、巣作りをするための大きな樹木が、開発の波でどんどん切り倒されてきたためです。一橋大学でも、兼松講堂の周りの樹木が大量に切り倒されたと聞き、ショックでした。(見たら悲しくなるので、まだ現場に行っていません!)
 鳥のことなんて、どうでも構わないという人がいるかもしれません。しかし、すべての生き物は環境のバロメーターです。国立市では、水循環基本計画策定に向けた調査活動の一環として、水の懇談会が今月末、子どもたちと一緒に、ヤゴ救出作戦を行います。学校のプールに卵を産み付けるトンボというのは、本当は池や沼に産みたかったはずです。自然との共存を、私たちは真剣に考えなければならないところにきています。水の懇談会では、今月からワーキンググループを3つ(湧水・井戸・水とくらし)に分けて、調査活動をスタートさせました。どうぞ、この機会に、皆さんもぜひ参加をしてください。