続・権利について考える

2004年4月23日 15時55分 | カテゴリー: 活動報告

少年犯罪の現実から

 3月27日、東京ネットでは、弁護士の石井小夜子さんをお招きして「少年犯罪と向き合う」をテーマに学習会を開催しました。2000年11月、少年法は、刑事処分年齢の「14歳以上」引き下げや原則逆送などの「改正」がなされましたが、このことは国連・子どもの権利委員会から、「条約および少年司法に関する国際基準の原則、規定基準にのっとっていない」ことを懸念し、改善するよう、日本政府は勧告を受けています。少年法は罰するためのものではなく「更生すること」を目的として作られた法律です。石井さんは、おっしゃいます。「再犯をしないようにするためには、本人が変わること、周囲が変わることが大事。『反省しろ』というだけでは自分がまったく見えない」と。
 少年法改正の時、マスコミが少年犯罪の増加と凶悪化を繰り返し報じていたことを憶えている方は多いのではないでしょうか。しかし、少年犯罪の実態からいえば、決して増加も低年齢化も凶悪化もしていないのです。データから読み取れるのは、子どもたちの成熟度が遅れてきていること、非行のピークは14〜16歳で、その後急減していることなどです。少年院に収容された子どもの内、付添人がついたのは、たった28%。(憲法でも弁護人を選定できる権利があるのに!)石井さんによれば、少年院にいかなくてもいい子はかなりいるはず、といいます。
 私は、ときどき考えるのです。私たちは、本当に「人権」について、理解できているのだろうかと。被害者の人権も加害者の人権も平等のはずなのに、これが整理されていません。厳罰化を望んだ人から、「そんなふうに甘やかすから、悪くなるんだ」といわれそうですが、厳しくするだけで、犯罪がなくなるのなら話は簡単でしょう。しかし、現実はそうではありません。
 前回、私はネグレクトについて取り上げましたが、犯罪をしてしまう子どもに共通するのは、心の通い合う場面が少ないことではないかと思うのです。以前、次男の担任が、こんな話をして下さいました。「親が、いくら『あなたを愛している』と子どもに言っても、その気持ちが子どもに伝わっていなければ、だめ。80%の愛情で満足する子もいれば、120%愛情を注いでも足りないと思う子もいる」私は、この言葉が忘れられません。子どもを育てるのは、親だけではありません。社会全体で、子どもの育ちについて、考えなければなりません。石井さんのおっしゃるように、「周囲」も変わらなければ、子どもも変わることはできないのだということを、私たち大人は、忘れてはならないのではないでしょうか。