本当に八ッ場(やんば)ダムの水が欲しいですか

2004年1月9日 15時38分 | カテゴリー: 活動報告

ダム見学で痛感したこと

 皆様、あけましておめでとうございます。
暮れから新年にかけて、内外ともに不穏な雲行きに、素直に新春を祝う気分になれなかった方も多いことと思います。しかし、何にせよ手をこまねいているわけにはいきませんから、今年もフルパワーでがんばります!
どうぞよろしくおねがいいたします。
 さて、私は、2003年の締めくくりの仕事として12月25〜26日、群馬県八ッ場(やんば)ダムを見学するエコツアーに参加しました。
1952年、ここにダム建設計画を、当時の建設省(現在の国交省)が、発表してからすでに50年の歳月が流れました。これほどまでに時が過ぎてなお完成しなかったには理由があります。住民の反対運動があったことはもちろんですが、このダム予定地に流れる吾妻川の水がph2の強酸性でそのままでは飲料に適さないこと、またダム湖底に沈む住民の代替地がいまだに完成してないこと等があげられます。吾妻川は、昔は「死の川」とも呼ばれ、魚もいませんでした。しかし、今では、上流に品木ダムを建設し、ここで石灰を混ぜ中和させてから、流すようになりました。八ッ場ダム予定地は川原湯温泉郷で14件ほどの宿があります。ダムが完成すればここはすべて湖底に沈みます。住民の一部は補償金を手に別の土地へと移動した者もいたようですが、ほとんどは、ここに住み続けたい人たちです。夜、「八ッ場が沈む日」の著者、竹田博栄さんのお話を伺いました。高齢ではありますが、反対運動をリードしてきた竹田さん。淡々とした語り口の中に、この地を深く愛する人の強い意志が感じられました。今となっては、旅館を新築するわけにもゆかず、さりとて代替地に移ってまで旅館をするかどうかは、わからない、こんな中途半端な状態が一体何年続いてきたのか、竹田さんの心中を察するに余りあります。
翌日、地質学者の木村庄八さんのお話を伺い、それから雪道を歩き、この温泉の源泉を訪ねたり、地層を見学したりしました。木村さんによると、ここは浅間山の噴火泥流でできた軟弱な地質のために、まったくダム建設には不適な土地だとのこと。がけ崩れの恐れのある沢ごとに防災ダムも造っていますが、八ッ場ダムができることで新たに、地震を誘発する可能性も指摘されています。
こんな危険を冒し、住民の犠牲の上に、(中和までして!)何が何でも、このダムから水が欲しいと皆さんはお考えでしょうか?水源連の嶋津輝之さんによると、現在、首都圏の水需要は、横這い、あるいは減少傾向にあるといいます。わざわざ、八ッ場から、水を引く必要はありません。ご存知のように国立の水道水の約60%は地下水ですが、これをすっかり捨てて遠く八ッ場ダムを経てきた水とチェンジしたいのか、ということです。そして、何より、この費用は私たち都民の税金なのです!(大西ゆき子のホームページもお読み下さい!)
次世代へ胸をはって残せる景観は、今、この地球上にいったいどれくらい残されているのでしょうか?
そして、どうか、皆さんも、この機会にぜひ考えてみてください。